雑談210
中学や高校時代にどれだけハードに運動部で鍛えていても、その後に全く運動をしないまま50代を迎えた場合、筋肉量は20代の運動していない若者よりもハッキリと下回る水準まで衰えてしまいます。
人間の身体は使わない筋肉を容赦なく削っていくため、30年という長いブランクの前では、10代の頃の貯金もほとんど使い果たされてしまうのが現実です。
例えば、中高バスケ部だった人を、運動してこなかった20代(100%)と比較すると、以下のような推移になります。前回のように、職種による差は考慮していません。
普通のバスケ部だった50代
20代の頃は一般の若者よりはるかに多い筋肉量(115%〜125%)でしたが、30年放置した50代の今では80%〜85%まで低下します。
20代の未運動者よりも確実に筋肉は少なくなっています。
強豪校のバスケ部だった50代
毎日限界まで追い込んでいたため、20代時点では圧倒的な筋肉量(130%〜140%)を築いていました。
その貯金のおかげで、50代になっても85%〜90%と普通の人よりはわずかに多く残りますが、それでも20代の未運動者の水準には到底及びません。
ずっと運動してこなかった50代
もともとの基準(100%)から加齢による自然減少だけが右肩下がりに進むため、50代時点では70%〜80%ともっとも筋肉が薄い状態になります。
結論として、元バスケ部という肩書きがあっても、運動をしていなければ全員が20代の未運動者よりもしっかり衰えているというのが現実です。
唯一の救いは、全く運動経験のない同世代の50代(70%〜80%)と比べたときに、過去の遺産がほんの数パーセントだけ踏みとどまっている、という点だけになります。
しかし、運動経験がある人には大きな強みがあります。
50代から筋トレを始めた場合、体内に筋肉の細胞の核がすでに準備されているため、運動経験のない同世代の人と比べて、圧倒的に早いスピードで筋肉を増やすことができます。
これはマッスルメモリー(筋肉の記憶)と呼ばれる現象で、10代の頃の努力は、これから運動を再開したときの特別なアドバンテージとしてしっかり味方をしてくれます。
運動を始めるときに、経験者故に気をつけることがあります。
30年のブランクがある50代の方が、かつてのイメージのまま急に動いたときに最も注意すべきケガは、アキレス腱断裂と肉離れです。
脳内には10代の頃の軽快に動けていたイメージが鮮烈に残っているため、頭の命令に身体がついていかず、急なダッシュやジャンプをした瞬間に一発で大きなケガにつながるケースが非常に多く見られます。
長期間使われていなかったアキレス腱や筋肉は、柔軟性が失われて硬くもろくなっています。
そのため、一歩目を強く踏み込んだ衝撃でアキレス腱を断裂したり、急に引き伸ばされた太もも裏やふくらはぎの筋肉が耐えきれずに肉離れを起こしたりします。
また、関節を支える筋力が落ちているため、着地の衝撃が膝や足首に直接加わり、激しい関節痛を引き起こすリスクも高いです。
まずは早歩きのウォーキングや軽いスクワットなど、負担の少ない動きで筋肉と腱を少しずつ慣らしていくことが大切です。
