雑談191

食品だから安全という一般的なイメージとは異なり、サプリメントや健康食品の過剰摂取は、薬剤性肝障害や急性、慢性腎障害を引き起こすリスクがあります。
これは、国の調査や専門学会のデータで実証されています。
日本消化器病学会などの全国調査において、医療機関で薬剤性肝障害と診断された原因の約9.4%がサプリメントや健康食品によるものと報告されています。
この割合は市販の解熱鎮痛薬などの医薬品よりも高い数値です。
また、国立健康・栄養研究所などのデータ分析では、サプリメントによる健康被害の約3分の2が摂取開始から3か月以内に発症していることが分かっています。
海外でも同様の傾向が確認されています。
米国の急性肝不全研究グループによる1998年から2015年のデータ分析では、原因不明の特発性薬剤性肝障害のうち16.3%がハーブやサプリメントに関連していました。
さらに、欧州の臨床研究では、サプリメントによる肝障害は通常の処方薬に比べて黄疸の発症率が高く、急性肝不全への進行や死亡に至るリスクが有意に高いことが報告されています。

また、2024年に発生した特定の紅麹サプリメントによる健康被害では、日本腎臓学会の調査により、患者の腎生検で急性尿細管間質性腎炎や尿細管壊死の病変が実証されました。
さらに、治療後も患者の約85%で腎機能の指標であるeGFRが基準値まで回復せず、慢性腎臓病へ移行したことが確認されています。
サプリメントは特定の成分を通常の食品より高濃度で凝縮しているため、内臓の処理能力を超えやすい性質を持ちます。
肝臓は体内の物質を分解し解毒する役割を担いますが、高濃度の成分が一度に流入すると細胞が炎症を起こします。
特にウコンや、体内に蓄積しやすい鉄分などのミネラル、ビタミンAやDなどの脂溶性ビタミンは肝障害の報告が多い成分です。

腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排出する役割を持ちます。
ハーバード大学などの数万人規模の追跡疫学調査では、ビタミンCサプリメントを毎日1000mg以上摂取する男性は、摂取していない男性に比べて腎結石の発症リスクが約2倍になることが証明されています。
ビタミンCは体内でシュウ酸に変化し、腎結石を形成して尿の通り道を詰まらせる原因になります。
また、プロテインやアミノ酸の日常的な過剰摂取は、腎臓のろ過圧を高める過ろ過を引き起こし、ろ過フィルターに過度な負担をかけて機能を消耗させます。

医薬品は開発段階で安全な上限量が厳格に設定されますが、サプリメントは食品に分類されるため、発売前に長期的な内臓への毒性を調べる臨床試験が義務付けられていません。
通常の食品であれば満腹感によって過剰摂取が抑えられますが、錠剤やカプセルは容易に内臓の処理能力を超えてしまいます。
そのため、個人の体質や摂取量によっては想定外の健康被害が生じることがあります。
内臓の機能低下は初期の自覚症状がほとんどないため、定期的な健康診断で肝機能(AST、ALT、γ-GTP)や腎機能(クレアチニン、eGFR)の数値を確認することが対策として挙げられます。

サプリの健康被害の多くは飲み始めて3か月以内に起きているそうです。
だるい、食欲がない、皮膚がかゆいなど異変を感じたらすぐに中止してくださいね。