雑談192

体重や体格指数であるBMIの数値が標準だからといって、安心はできません。
体型には個人差があり、BMIが22と標準的であってもウエストが60cmの女性もいれば、BMIが20と痩せ型であってもウエストが70cmに達する女性もいます。
この違いが生まれる理由は、筋肉と脂肪の密度にあります。
科学的には、筋肉の方が密度が大きく、脂肪の方が密度が小さいという関係になります。
密度が大きいということは、同じ体積であれば筋肉の方が重く、同じ重さであれば筋肉の方がずっとコンパクトにまとまることを意味します。
この密度の違いこそが、体重が重くてもウエストが細くなる最大の理由です。
同じ1kgであっても、脂肪は体積が大きいためお腹周りを大きく膨らませてしまいますが、筋肉は小さく凝縮されているため身体を内側から引き締めます。そのため、脂肪が減って筋肉が増えると、体重計の数字が変わらないかむしろ増えたとしても、ウエストのサイズは劇的に細くなります。
一般的な指標では、身長と体重から算出するBMIが25以上であることを前提として、健康障害がある状態を肥満症と呼びます。
しかし日本肥満学会が示す方針では、たとえBMIが25未満の普通体重であっても、お腹のなかに内臓脂肪が過剰に溜まっており、それが原因で健康障害が起きている場合は、肥満症と診断して治療の対象にする方向性が打ち出されています。
この基準が意味するのは、体重計の数字が軽いから健康であるとは限らないという厳しい現実です。
見た目が細く見えたり、体重が標準の範囲内におさまっていたりしても、お腹周りだけが太くなっている場合は注意が必要です。
筋肉量が少なくて内臓脂肪が多い、いわゆる隠れ肥満の状態にある人は、自覚がないまま血管や心臓への負担を溜め込んでいる可能性があります。
体重を減らすことだけを目標にするダイエットや、数字だけに一喜一憂する健康管理では、脳卒中や心筋梗塞といった重大な病気に繋がるリスクを見落しかねません。
本当に目を向けるべきなのは、体重計の数字ではなく、お腹の内側に隠された脂肪の量とその質です。
日頃の食事内容や運動不足に心当たりがある方は、体重が標準内だからと油断せず、自分のお腹周りの状態や健康診断の血液データに隠れた危険信号が出ていないか、今一度厳しく見つめ直す必要があります。