雑談166
今日は、健康診断でよく見る高血圧についてのお話です。
「数値が少し高いだけだし、どこも痛くないから大丈夫」…そう思っていませんか?
「もうトシだから血圧が高いのは当たり前」「どこも痛くないから、薬を飲むほどでもない」……そんなふうに、高血圧を加齢のせいにして片付けてしまっていませんか?
実は血圧が高い状態を放置することは、身体を支える命のインフラである血管をボロボロに使い古しているのと同じことなのです。
体内をめぐる血管。その長さは、全身を合わせると地球2周半にも及ぶと言われています。
若い頃はしなやかで弾力があったこのホースも、長年の使用で少しずつ硬くなっていきます。
そこに高い圧力が24時間365日、休むことなくかかり続けたらどうなるでしょうか?
内側の壁はミシミシと音を立てるように傷つき、その傷口を塞ごうとして血管の壁は厚く、硬く変化します。
これが動脈硬化の正体です。
高血圧が恐ろしいのは、心臓や脳の血管が限界ギリギリまで悲鳴を上げないことです。
ある日突然、プツリと切れる(脳出血)、あるいはピタッと詰まる(心筋梗塞・脳梗塞)。
「昨日まであんなに元気だったのに……」そんな突然の悲劇を招くからこそ、高血圧をサイレント・キラーと呼び、厳しく警戒しているのです。
最近では「血圧は高くても大丈夫」と極端な意見も耳にします。
確かに、血圧を下げる薬でふらつきが出るなど、QOL(生活の質)を損なうケースもあるでしょう。
しかし、物理的な事実は一つです。
圧力が高いほど、血管は確実に壊れていくということ。
たまたま運良く持ち堪えている生存者の言葉を信じて、自分の血管をギャンブルにかけるのは、あまりにリスクが大きいと言わざるを得ません。
血圧が200あっても血管が破れない人もいれば、150で脳出血を起こす人もいます。
血管の壁の厚さや柔軟性には個人差がありますが、それを外から完璧に測定する術はありません。
自分は高血圧を放っておいても大丈夫だった(あるいは手術で間に合った)という個人の体験談を、血管の強度が不明な他人に当てはめるのは、非常に危険な賭けです。
高い血圧を放置することは、将来の自分から歩く自由や会話の楽しみを奪うことにつながりかねません。
数値と向き合うことは、決して病気を探すことではなく、10年後、20年後の自分を守ることになりますよ。
