雑談190
先日、電車に乗っていた時のことです。
近くにいた大学生と思われる2人組の会話が聞こえてきました。
その内容は、大麻についての話でした。
北米への留学経験があり、すでに大麻を経験しているという先輩が、同行する別の若者に対して、大麻は身体に悪くないということや、タバコを吸う方がよっぽど体に悪いということ、さらには海外では医療用としても使われていて日本は遅れているだけだから、そのうち日本でも合法になる、といった主張を展開していました。
このような主張は、大麻による検挙者が急増している日本の若者層の間で非常によく見られる典型的な言説です。
しかし、これらの言葉と、医学的あるいは法律的な事実との間には、実は大きな乖離が存在します。
まず、タバコより安全であるという言説についてです。
この主張は、依存性や身体的な毒性の一側面だけを誇張した、ネット上の情報に頼っているケースが多く見られます。
医学的な知見において、大麻の主成分は脳に直接作用し、記憶力や集中力、認知機能を低下させることが実証されています。
特に脳が発達段階にある20代前後の若年層が摂取した場合、統合失調症などの精神病を発症するリスクが数倍に高まることが指摘されています。
また、燃焼時の煙に含まれるタールなどの発がん性物質はタバコと同等以上であり、身体に悪くないという言説は科学的に否定されています。
次に、医療用大麻と嗜好用大麻の混同についてです。
海外で医療用に承認されているという事実を、大麻草を吸うことが安全であるという根拠にすり替える議論も多く散見されます。
医療用大麻とは、大麻草から特定の有効成分だけを抽出し、成分量や品質を厳格に管理して製造された医薬品のことです。
医師の処方のもとで特定の疾患の治療に用いられるものであり、個人が嗜好品として大麻草を吸引したり摂取したりすることとは明確に区別されます。
日本においても法改正により、大麻由来の正当な医薬品の使用が認められるようになりましたが、これは医療目的の適正な利用を認める一方で、不正な乱用は厳罰化するという方針であり、嗜好用大麻の合法化を意味するものではありません。
そして、海外における合法化や緩和の背景についてです。
日本は遅れているという指摘は、海外諸国が大麻を合法化した社会的な背景や政治的な背景を見落としています。
いち早く合法化に踏み切ったカナダやアメリカの一部の州などでは、大麻の安全性が証明されたからではなく、不法市場が巨大化しすぎて取り締まりきれなくなったため、国家の管理下に置いて密売組織の資金源を断つという、治安維持上の苦肉の策であったケースが大半です。
合法化後の地域では、若年層の乱用拡大、大麻の影響下での運転による交通事故の増加、より強力な違法ドラッグへの移行といった新たな社会問題が報告されており、現在も国際的な議論が続いています。
現在の日本の法律では、大麻取締法などの改正により、従来の所持や譲り受けだけでなく、使用自体も刑事罰の対象となっています。
海外での経験やネットの言説を盲信し、日本国内で安易に手を染めた場合、逮捕や学業の途絶、前科といった重大な法的、あるいは社会的ペナルティを科されるという現実が厳然として存在します。
よく大学生による大麻所持・使用が報道されていますが、彼らにとっては我々が思うよりずっと身近なのかもしれませんね。
なにしろ、その大学生たちも決して所謂輩のようなスタイルではなく、チェックのシャツにコットンパンツといった服装に凡庸な髪型でアクセサリーなどもない、どこにでもいる大学生にしか見えませんでしたから。
そして、コソコソ話していたわけではなく、堂々と世間話のように話していたんですよね。
空港で大量の薬物が税関で見つかっていますが、外から持ち込まれる量も相当で、そういう市場が出来上がっているのかもしれないと考えると、気分が重くなりますね。
