酸化ストレス⑦
抗酸化物質には酵素やタンパク質、尿酸、ビタミンCやEなど様々あります。
それぞれが別々の役割を持ち、活性酸素の発生を抑えるもの、活性酸素の酸化力を抑えるもの、活性酸素で受けた被害を修復するものなどがあります。
体内で作られる抗酸化物質の役割を補助するように、食べ物でいろいろな抗酸化物質を取ることが大事です。
一つのものにこだわらず、いろいろ食べてください。
βカロテンは、抗酸化作用や免疫機能を強める働きがあるとされ、植物や動物に含まれる色素成分の一つです。
βカロテンは摂取すると、小腸上皮細胞でビタミンAに変換されるのでプロビタミンA(ビタミンA前駆体)と呼ばれています。
ビタミンAは脂溶性のビタミンで主に動物性食品に含まれ、体内ではレチノール・レチナール・レチノイン酸に変換されます。
プロビタミンAは主に植物性食品に含まれ、その数は50種ほどあり、中でもβカロテンは効率よくレチノールに変換されます。また必要量が変換されるので、過剰摂取にはならないとされています。
皮膚や粘膜を丈夫にしたり、視力の維持などの作用があり、強い抗酸化作用から、ガンの予防や動脈硬化・心血管系疾患の予防などが期待されています。
食事でとったビタミンAは脂肪とともに小腸粘膜上皮細胞に吸収され、そのほとんどが肝臓に貯蔵され、その他は血液によって各組織に運ばれタンパク質と結合し、組織を維持する働きをしています。
ビタミンAの欠乏では、暗いところで目が見えにくくなる夜盲症がおこりますが、進行すると失明することもあります。また、感染症に対する抵抗力が低下していきます。
βカロテンの食事の摂取基準は男性が300〜650μgRAE、女性が250〜500μgRAEで耐用上限量はどちらも2700μgRAEです。(μgRAEとは、ビタミンAやプロビタミンAには様々な種類があるためそれらをレチノール相当量に変換してビタミンAの食事摂取基準の数値を考えるために作られた数値です)
食事でとりすぎるということは植物性のものに関しては心配ないのですが、サプリメントでの取りすぎは注意が必要です。
サプリメントによるビタミンAの取りすぎで、肝機能障害や骨粗鬆症、喫煙者の肺ガンの発生を増やす報告があります。
ビタミンAはサプリメントではなく、食事でβカロテンからとることを心がけていれば取りすぎることはないでしょう。
Βカロテンが含まれる食品
緑黄色野菜…人参・ほうれん草・春菊・モロヘイヤ・ピーマン・かぼちゃ・唐辛子
果物…ミカンなどの柑橘類・スイカ・メロン
ドライフルーツ…プルーン・干し柿・あんず