酸化ストレス⑥

抗酸化物質には酵素やタンパク質、尿酸、ビタミンCやEなど様々あります。
それぞれが別々の役割を持ち、活性酸素の発生を抑えるもの、活性酸素の酸化力を抑えるもの、活性酸素で受けた被害を修復するものなどがあります。
体内で作られる抗酸化物質の役割を補助するように、食べ物でいろいろな抗酸化物質を取ることが大事です。
一つのものにこだわらず、いろいろ食べてください。

ポリフェノールとは抗酸化作用や心血管系疾患予防作用のある化合物の総称です。

緑茶のカテキン、玉ねぎのケルセチン、ゴマのセサミン、お茶のタンニン、大豆のイソフラボン、ブルーベリーのアントシアニン、カレーのクルクミン、そばのルチン、米のフェルラ酸、コーヒーのクロロゲン酸、生姜のショウガオールなど自然界に8000以上存在します。

食事やサプリメントとしてポリフェノールを摂取した場合に、体内で代謝され化学構造が大きく変化することにより、その抗酸化能は失われてしまうにも関わらず、抗炎症・抗アレルギー作用、骨粗鬆症予防作用、視覚機能調節作用、抗疲労作用、また最近では認知機能維持作用などといった有効性が報告されています。

中でも茶(紅茶)、ココアやチョコレート、りんご、玉ねぎ、赤ワイン、イチゴなどの食品の摂取頻度と心血管系疾患リスク低減とは関係があり、これらの食品を定期的に取ることで心筋梗塞・心不全や脳梗塞・脳卒中といった心血管系疾患のリスクが下がります。

血管内皮機能とは、文字通り血管の内皮細胞の機能のことです。
血管内皮機能は、高血圧や高脂血症・糖尿病・肥満などに加え、運動不足・喫煙・メタボリックシンドロームなど様々な生活習慣病によりその機能が低下します。低下した状態が続けば、動脈硬化の進展、さらにはプラークの不安定化を招き、さらに進行すると心筋梗塞や脳梗塞といった心血管疾患を引き起こします。
このような長期にわたって引き起こされた障害が、ポリフェノール類を摂取した直後に一過的に緩和されるそうです。

ポリフェノールの1日の目安は200〜500mgとされ、この量を一日数回に分けて摂取するのが好ましいとされます。
ポリフェノールの取りすぎに関しては、家畜の牛が腎臓障害によって死亡した原因がどんぐりの食べ過ぎによるポリフェノール中毒とされているので、注意した方がよさそうです。

人間でも取り過ぎると便秘や女性ホルモンの乱れが生じる恐れがあると言われています。