膝痛のサプリメントについて
治療院のホームページに載せていた膝痛に効くと思われているサプリメントに関するものです。
改めて読みたいとお思いの方もいらっしゃるようなのでこちらに転載します。
厚労省のサイトから抜粋です。
「グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントについて
・人を対象とした質の高い大規模試験から、グルコサミンとコンドロイチンの安全性および有用性に関する情報が得られています。」
「 グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントの有効性について
・ コンドロイチンは変形性膝関節症または変形性股関節症の痛みに有効ではないことが研究結果から示唆されています。
・ グルコサミンが変形性膝関節症の痛みに有効かどうか、また、グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントがそれぞれ他関節の変形性関節症の痛みを軽減するかどうかは不明です。」
「科学的観点から見た安全性および副作用
・グルコサミン、コンドロイチン、または両方を3年間に上り摂取した大規模で良質の研究では、重篤な副作用は報告されませんでした。
・ しかし、グルコサミンまたはコンドロイチンは抗凝固剤(抗凝血剤)のワルファリン(クマディン)と相互作用を有する可能性があることが明らかにされています。
・ラットを用いたある研究では、比較的高用量のグルコサミンを長期間摂取すると腎臓を損傷する可能性が示されました。
動物の研究結果は、必ずしも人に当てはまりませんが、この研究により懸念が生じました。
・グルコサミンは、特に糖尿病の人やインスリン抵抗性または糖耐能に異常があるなど血糖値に問題がある人では、体の糖代謝に影響を及ぼす可能性があります。
グルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントを摂取している人は、ラベル表示に従い「自然」と表示されているものが常に「安全」ではないことを認識する必要があります。」
Effects of glucosamine, chondroitin, or placebo in patients with osteoarthritis of hip or knee: network meta-analysis(2010年)
→グルコサミン、コンドロイチンの単独もしくは組み合わせたものによって、関節痛が軽減されたり関節腔に影響することはない。
Subgroup analyses of the effectiveness of oral glucosamine for knee and hip osteoarthritis: a systematic review and individual patient data meta-analysis from the OA trial bank(2017年)
→21件の研究を分析したところ、股関節や膝の関節痛に効くという結果はなかった。
この2017年の発表の後、グルコサミンのサプリメントから“機能性表示食品”*という表記が消えたようですが、「気になる違和感がスーッとなくなった」「楽に動けるようになった」「早く飲めばよかった」「手すりなしで歩けるようになった」「若返って友達に羨ましがられる」「山登りに行けるようになりました」(個人の感想です)……等のインタビューなどが広告に載り、CMで流れ、商品も健康食品として売られています。
*「機能性表示食品制度とは、国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる制度です。特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が審査を行いませんので、事業者は自らの責任において、科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があります」(消費者庁)
グルコサミンやコンドロイチンに関連した研究所や企業のサイトは、グルコサミンやコンドロイチンを組み合わせてとると効果があると堂々と謳っています。(が、効果があるとする論拠は載せていません)
どうするかは個人の判断に委ねられています。