砂糖の話②
「砂糖を摂るとガンになる」や、「砂糖を摂らなければガンが治る」といった情報には、根拠はないようです。
2017年に発表された論文を誤解したものが一人歩きしているような感じでしょうか…
ただ、太り過ぎや肥満はさまざまなガンのリスクを高めるということは証明されています。
どんな栄養素も摂りすぎはいけないという意味で、砂糖の摂りすぎを避けた方がいいとは言えます。
糖質はがん細胞のエサ?誤解が多い「がん治療中に相応しい食事」
「「糖質はがんのエサになる」という説はよく見聞きしますが、科学的な根拠はありません。
ワールブルグ効果やPET検査の仕組みを根拠にする人もいますが、誤解です。
きっとがん細胞が糖をパクパク食べるイメージがあるのでしょうが、現在のところ「糖がもっぱらがんの栄養となり、その進行を早める」とは確認されておらず、糖質制限などの食事療法ががん治療にプラスになるという臨床的な効果も、まだ見つかっていません。」
糖質をとると、がんの原因に? 話題を呼んだ研究の「本当の中身」
「問題となった論文は、『Nature Communications』に2017年10月13日付で掲載されたものだ」
「酵母をブドウ糖過多の条件におくと、腫瘍内によく見られるある種のたんぱく質が過剰生産される。
このたんぱく質は、腫瘍細胞の成長と分裂を促進する。
したがって、高血糖は既存の腫瘍を悪化させるおそれがある──というものだ」
「糖ががんを発生させるメカニズムをわたしたちが発見したと一部の人は解釈していますが、それは明らかに誤りです」」
「実験室で培養された菌による結果を、ヒトに安直にあてはめたがる傾向は、栄養学の分野で特に顕著だ。食生活の研究が一般受けするのは、シンプルな答えを授けてくれるからである」
「だが、ティーヴリンは臨床医ではないし、今回の研究は食生活に関するアドヴァイスのために行われたわけでもない。
彼らは分子生物学者で、ワールブルク効果と呼ばれる現象のメカニズムを解明しようとしていたのだ」
「がん細胞はエネルギー源として糖を好むとはいえ、脂肪とたんぱく質だけの環境でも問題なく生存できることが、研究からわかっている。
それに、がん細胞を飢えさせたとしても、同時に体内の健康な細胞も栄養源を奪われる。
これは化学療法を受け、命がけで病気と闘っているときには、一番やってはいけないことだ」
砂糖とがん-知っておきたいこと
「健康な細胞には必要なブドウ糖を与え、がん細胞には与えないようにからだに指示する方法はありません。
「糖類抜き」の食事をすることで、がんになるリスクが下がったり、がんと診断された場合の生存率が上がったりするという証拠はありません。
また、炭水化物を極端に制限した食事をすると、食物繊維やビタミンを多く含む食品が取り除かれてしまうため、長期的には健康を損なう可能性があります」