痛みに効くか

アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、国立衛生研究所(NIH)に属する機関で、補完医療の研究を行っています。

2016年にいくつかの補完的な療法が、痛みのコントロールに有効であると報告されました。
NCCIH 「Review Examines Clinical Trial Evidence on Complementary Approaches for Five Painful Conditions」、nccih.nih.gov September 02,2016

1966年から2016年3月までの、アメリカ人およびアメリカにいる患者を含めて実施された臨床実験を無作為に検索し、広く使用されている七つの補完的な療法の有効性、および安全性に関する証拠を探りました。
七つの療法とは、以下の通りです。
鍼治療、脊椎療法およびオステオパシー療法、マッサージ療法、太極拳、ヨガ、瞑想を含むリラクゼーション、コンドロイチン・グルコサミン・MSM(メチルサルフォニルメタン/有機硫黄)・SAM e(S-アデノシルメチオニン)・オメガ-3脂肪酸を含むサプリメント。

アメリカではプライマリケアでよく用いられ治療される、五つの疼痛状態で調べられました。(背中・腰の痛み、変形性関節症、首の痛み、激しい頭痛・偏頭痛・線維筋痛症)

その結果、特定の痛みを伴う健康状態の管理に役立つ可能性があることを見出しました。

背中・腰の痛みには、鍼治療とヨガ、
変形性膝関節症には、鍼治療と太極拳、
首の痛みには、マッサージ療法(適切な刺激で、短期間の効果)
激しい頭痛・偏頭痛には、リラクゼーション

さらに、証拠は弱かったけれど、
マッサージ療法・脊椎療法・オステオパシー療法は、背中・腰の痛みに、
リラクゼーションや太極拳は、線維筋痛症の人々の助けになるかもしれません。

身体と補完療法の効果に関しては、まだまだはっきりしていないことは多いのですが、
それをいいことに、嘘の情報が溢れて苦しんでいる人が少なくありませんし、
手術や薬でどうにもならないもので、補完療法で緩和できるものが、科学的に証明されていくといいですね。