世界保健機構の鍼灸

世界保健機関 (World Health Organization: WHO) は、「全ての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として設立された国連の専門機関です。
1948年4月7日の設立以来全世界の人々の健康を守るため、広範な活動を行っています。
現在の加盟国は194カ国であり、日本は1951年5月に加盟しました。

1976年の北京で、WHOによる鍼灸に関するシンポジウムが開かれました。
そこでは、43の疾患のリストが提出されましたが、十分な臨床試験に基づくものではなかったので、そのような研究を実施する必要性があるとされました。

1997年に、National Institutes of Health が声明を発表します。
成人の術後の化学療法で起こる悪心嘔吐、術後の歯痛に鍼灸治療は効果があり、様々な種類の痛みに対して、補助療法や代替療法として有効であるとしました。

その一年前に、WHOの鍼灸の会議でも、治験のデータに基づく鍼灸治療の有効性に関する公式報告書が作成され、2003年に出版されました。
その中には、1998年末から1999年初頭に出版された255件の試験結果が含まれていました。

以下は、鍼灸の治験を通じて効果的な治療法であると実証された病気と症状です。
放射線療法および/または化学療法に対する有害反応、アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)、胆汁疝痛、うつ病(うつ病性神経症および脳卒中後うつ病を含む)、赤痢、月経困難症、急性上腹部痛(消化性潰瘍、急性および慢性胃炎および胃痙攣)、顔面痛(頭蓋顎の障害を含む)、頭痛、高血圧、原発性低血圧、誘発分娩、膝の痛み、白血球減少、腰痛、逆子、つわり、悪心嘔吐、首の痛み、歯科における疼痛(歯痛および側頭下顎機能不全を含む)、肩関節周囲炎、術後痛、腎疝痛、関節リウマチ、坐骨神経痛、捻挫、脳卒中、テニス肘
上記の報告書は、鍼灸治療の有効性に関するWHOの唯一の公式見解ですが、1998年のエビデンスのレベルは高くありませんでした。
その後、公開されたランダムな比較試験の量は急速に増加し、様々な疾患の治療における鍼灸の有効性が発表されました。
エビデンスの既存レベルは1999年よりもはるかに高いとされます。

このほか、効果は認められたもののさらに証明が必要な病気・症状が63、従来の治療法では困難で鍼灸治療でいくつかの効果が報告されている個別の治験の疾患が9、医療機関で適切なモニタリングの管理下での状態で鍼灸治療を試みている疾患が7あります。
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