中途半端はキケン

糖質制限ダイエットの情報が広まって、意識的に炭水化物を減らしている方が増えたように感じます。
でも、60代を過ぎてからダイエットをしている方には気をつけていただきたい点があります。
簡単に痩せたーという割に、脂肪がしっかりつまめたら、筋肉がかなり減っている可能性があります。
それは、良くない傾向です。

普段の食事から、炭水化物をグッと減らすと、糖質が減るということ。
糖質が不足すると、その分のエネルギーを他で補わなければならないこと。
補わないと、筋肉を分解してエネルギーに変えられてしまうこと。
筋肉が減ると、体力が落ちること。
肩こり、腰痛、膝痛などがひどくなること。
また、骨も弱ること。
踏ん張れんなくなり、転びやすく、骨折しやすくなってしまうこと。
このようなことに気をつけないと、健康のためを思ってしたことで、逆に身体を壊してしまいます。

40代50代くらいで、男性はお腹に内臓脂肪が、女性は皮下脂肪がつきやすくなります。
若い頃に比べて少しくらいふくよかになっても、標準範囲内であったら妙なダイエットをするより、軽い運動習慣を身につけるようにした方が、健康にも脂肪を減らすにも効果的です。
ウォーキングを30分や、踏み台昇降10分など簡単なことでも、続けることが重要です。

標準体重ってどのくらいなのか。
筋トレをして、筋肉量が多い筋骨隆々な方には当てはまらないのですが、そこまで筋肉増量をしていない方なら、BMIが目安にはなるのではないでしょうか。
BMIが22であると、肥満による糖尿病や高血圧、脂質異常症になりにくいとされています。
健康には、やせも肥満もどちらもよろしくない数値です。

計算方法は、身長(m)の2乗×22
例えば、身長150cmの方なら49.5kg、160cmの方なら約56kg、170cmの方なら約63.5kg…といった感じです。

ちなみに、BMIの標準的な範囲は年齢層別に違います。
18〜49歳までは、BMI18.5〜24.9
50〜69歳までは、20.0〜24.9
70歳以上は、21.5〜24.9

例えば、150cmの方の場合、BMI18.5は41kg、BMI20.0は45kg、BMI21.5は48kg、BMI24.9は56kgなので、
18〜49歳までは、41kg〜56kg
50〜69歳までは、45kg〜56kg
70歳以上は、48kg〜56kg

160cmの方の場合、
18〜49歳までは、47kg〜63kg
50〜69歳までは、51kg〜63kg
70歳以上は、55kg〜63kg

170cmの方の場合、
18〜49歳までは、53kg〜72kg
50〜69歳までは、58kg〜72kg
70歳以上は、62kg〜72kg

この範囲内であれば、極端なダイエットに励む必要はありません。
特に70代以降は、低栄養によるやせの方が弊害が大きいので、若い頃より増えていてもそこまで気にすることはなくなります。
どうでしょうか。
もし標準範囲内だけど、お腹の脂肪を減らしたい、美観のために痩せたい…と思うのならば、食事は腹八分目で、運動習慣を身につけた方がウエストが細くなって、服のサイズは変わるでしょうし、極端なダイエットをしたことで予想される膝痛や寝たきりの予防にもなりますよ。