ビタミンDと大腸がん

大腸がんのリスクは、高齢であること、喫煙歴、肥満などで高くなります。
それ以外に、ビタミンD不足が関連するともいわれます。
また、ビタミンDはカルシウムの吸収にも関わるので、ビタミンDが不足すると、カルシウムも不足して骨が脆くなります。

ビタミンDは、キノコ類・魚類・卵黄などに含まれています。
脂溶性ビタミンなので、油分と一緒に摂ると吸収率が上がります。
また、一日30分〜60分ほどの日光浴でも生成されます。

ビタミンDと大腸がん罹患との関係について
「ビタミンD濃度が最も低いグループで直腸がんリスクへの影響が見られました。
この結果を裏付けるデータとして、ビタミンD受容体の遺伝子タイプの違いから、日本人は白人に比べて、ビタミンD不足で直腸がんリスクが上がりやすい体質である可能性を示す研究があります」

カルシウム、ビタミンD摂取と大腸がん罹患との関連について
「男性においては、カルシウムとビタミンDの摂取量をそれぞれ低・中・高の3群にわけて組み合わせた場合、両栄養素が高いグループでリスクが低いということが明らかになりました」
「カルシウムが大腸がんを予防する機序としては、腸管内腔の上皮細胞を刺激し、がんの発生を促進する二次胆汁酸を吸着することと、細胞増殖や分化に直接作用することなどが考えられています。
ビタミンDはカルシウムの吸収に関与することから2つの栄養素の摂取量が高い群で大腸がんのリスクが低い結果であったことの説明がつきます。
本研究の結果では、男性のみにおいて、カルシウムと大腸がんの関連が見られました。
その理由の1つとして、女性ではカルシウム摂取量が全体的に高かったのに対し、男性では、極端に低い人が多かったことが考えられます」