膝のサプリメントについて

膝痛の予防について考えたとき、サプリメントはどうかな?と頭に浮かぶ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、昔のサイトでも載せていましたが再掲してみます。
何度も広告に触れていると、効果があるように錯覚しそうですよね。
今のところ、効果のあるものは存在しません。

Glucosamine, Chondroitin Sulfate, and the Two in Combination for Painful Knee Osteoarthritis
グルコサミンとコンドロイチンに関する2006年の論文。
結果として、単独でもしくは組み合わせて摂取しても、変形性膝関節症の痛みを効果的に軽減することはできず、重症の方が組み合わせて摂取したら効果はゼロではないけれど、あるとも言えない…といった感じのようです。

Effects of glucosamine, chondroitin, or placebo in patients with osteoarthritis of hip or knee: network meta-analysis
2010年の論文。
グルコサミン、コンドロイチンの単独もしくは組み合わせたものによって、関節痛が軽減されたり関節腔に影響することはないそうです。

Subgroup analyses of the effectiveness of oral glucosamine for knee and hip osteoarthritis: a systematic review and individual patient data meta-analysis from the OA trial bank
2017年の論文。
21件の研究を分析したところ、股関節や膝の関節痛に効くという結果はなかったようです。

以下は厚労省のサイトから抜粋です。
「 グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントの有効性について
・ コンドロイチンは変形性膝関節症または変形性股関節症の痛みに有効ではないことが研究結果から示唆されています。
・ グルコサミンが変形性膝関節症の痛みに有効かどうか、また、グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントがそれぞれ他関節の変形性関節症の痛みを軽減するかどうかは不明です。」
「科学的観点から見た安全性および副作用
・グルコサミン、コンドロイチン、または両方を3年間に上り摂取した大規模で良質の研究では、重篤な副作用は報告されませんでした。
・ しかし、グルコサミンまたはコンドロイチンは抗凝固剤(抗凝血剤)のワルファリン(クマディン)と相互作用を有する可能性があることが明らかにされています。
・ラットを用いたある研究では、比較的高用量のグルコサミンを長期間摂取すると腎臓を損傷する可能性が示されました。
動物の研究結果は、必ずしも人に当てはまりませんが、この研究により懸念が生じました。
・グルコサミンは、特に糖尿病の人やインスリン抵抗性または糖耐能に異常があるなど血糖値に問題がある人では、体の糖代謝に影響を及ぼす可能性があります。
グルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントを摂取している人は、ラベル表示に従い「自然」と表示されているものが常に「安全」ではないことを認識する必要があります。」